湧立つ想い
重い足を引きずりながら指定された場所へ向かうと、彼は煙草を咥えながら車に寄りかかっていた。


「遅い」


見るからに不機嫌な彼は助手席のドアを開けて座るように促してきた。

ここに足を踏み入れたらどうなるのかわからないほど私は馬鹿じゃない。

いくら脅されたからって乗ってしまっていいの?

心の中で葛藤していた私を彼は強引に中へ押し込んだ。

そしてそのまま車を発進させた。
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