【企画】僕と猫の関係はつまり
昔から何故か動物には好かれるタイプだった僕に(僕はそれほどでもないのだけど)、その日、野良猫が寄ってきた。
多分キャンパス内で誰か餌でもあげて人間慣れしているのだろう。ちょっとデブった、ふてぶてしいどこにでも居そうな茶色い毛並みの猫。
尻尾も足も短い。
つまり、不細工な猫だ。
その不細工な猫が飯をくれと言わんばかりに僕の左足に顔を刷り寄せてきた。
傍にいた猫好きな庄谷の手前、無下にするわけにもいかず、僕は屈んで不細工猫の頭を撫でる。
「わぁ、かわいい」
僕は「本気?」と思いながら庄谷の顔を見上げた。
「このね、不細工な感じがさ、かわいいじゃん」
僕はもう一度不細工猫に視線を戻す。
ナァ、と欠伸をするように鳴く猫の喉元をゴロゴロと撫でさせる大きな小動物は、やはりふてぶてしいと思った。