【企画】僕と猫の関係はつまり
あの不細工猫はどういうわけか僕になついてしまって、僕の言うことやること全てに従順だった(しかし態度は相変わらずふてぶてしい)。
待てと言えばちゃんと待つし、回れと言えばその場でクルリ。人差し指を上げれば見た目に似合わず軽々とジャンプをする。
それはそれで面白いのだが、猫はどちらかと言えば苦手な方だ。
庄谷は不細工猫を相当気に入ったらしいが、相変わらず彼女にはなつかない。
「かわいくないやつ」
僕は言う。
「この気分屋なのがイイの」
庄谷は自分の手からは食べない餌を、わざわざ買って僕に持ってくる。
自分で買ってきた餌を僕の手から食べる不細工な猫を、隣に一緒に屈んで見る。
顔はフニャフニャだ。