「priceless」。
愛情の大きさ=金額だっていうなら、わたしの愛情を見せてあげる。
2009年、3月。
はるにとって大きな試練が、そしてわたしにとってもはるとの絆の第一歩となった日と言っても過言ではなかった。はるにとってどうしても倒したい相手が現れ、はるとわたしの答えは、
一致した。 そんな思惑通りの結果を残したわたしたちに待ち伏せていたのは、はるの主任という辞令。
何よりもナンバー1ということだった......
その代りにわたしがはるに求めたことは、
彼女という言葉だった。 そう、はるは自分の願望と代償に わたしをはるの彼女にというよりも、はるの彼女という名前をわたしにくれた。




同年、8月。
ホスト業界では最もメインにあたるほどの、はるのBirthDayイベントが行われた。
10段のシャンパンタワー、金額にしたら250万を飾ったわたし。初めての経験だった、金銭面で、苦しくて、大変で、
それは、わたしの想像を遥かに上回ることだった。 思うようにいかない、思うように出来ない、
苛立ちと、焦りと、情けなさとやりきれなさが 日に日に強くなっていった。
周りに当り、はるに当り、自分の不甲斐無さに 周囲の人達を傷つけることでしか自分を保てなくなってた。 逃げたい、欲望とお金が渦巻いてる夜の世界から。そう 思った。

お互い支えあうんじゃなくて、お互いプレッシャーかけあって、
お互いハッパかけあうんじゃなくて、お互いキツクなって、.....

「なんの為に一緒にいるの?」

「お互いが無理をする為に一緒にいるの?」


「お金?愛?・・・
信じるもの間違えた。」

そんなことを考えていてもやるしかなかった。

BirthDayイベント当日、シャンパンタワー 何十人という人の前に立ちはるがわたしを、

「こいつが俺のエース!!」

と言った。
頑張れると思った。 その一言でわたしはこれからも頑張っていけると....
そしてわたしはこの日、「頑張ります」とはると約束をしたそのひとことを守るために、わたしのエースとしての幕があかることになった。



2009年、8月。主任片瀬ハルは、

「売上ナンバー1」

「指名本数ナンバー1」そして、

「過去最高」

記録をとった。






※この日を境に、大宮某店主任、片瀬ハルは埼玉で最も有名なホストへと近づいていった。
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