本棚に、秘密



周りを本棚に囲まれたそこは、暖房がたどり着かずに空気が冷えている。


目の前には、彼の整った顔。

背中に感じるのは、固い本棚。

これ以上下がれないのに、彼がじりじりと詰め寄ってくるから背後に並べられている本達が音をたてる。

敏感になっている私には、それさえも恐怖に感じられた。




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