あなたがいたから
木下が自己紹介をすると言い出して、5分が経過すると黙っていた木下が急に大きな声を出した。
しかも、手をパシリと叩いていた。
「はい。5分が経過したから、自己紹介するぞ。
う〜ん。そうだな…1番最初が出席番号1番だと面白みが欠けるなぁ。
よし。今日、新入生代表をやった志水 未来からやってもらおう。」
いい案だという顔をしながら、木下は言った。
ムカつくほど良い笑顔だ。
木下の言葉に未来は、
「はい?なんであたしからなんですか?」
ついつい席から立ちながら言っていた。
「だーかーらー。今日、新入生代表でもう大勢の前に立ったのだから、こんな40人という少ない人数じゃあどうってことないだろう。」
「だからって、そんなの理不尽です。」
「お前、あまり文句ばかり言ってると成績下げるぞ。」
木下の言葉に未来は呆れてしまった。
たかが、自己紹介の順番を決めるってだけで成績を下げるなんて、馬鹿げている。
未来はしょうがなく自分から自己紹介を始めようとした。
その時。
一人の少女が立ち上がった。