あなたがいたから


木下が自己紹介をすると言い出して、5分が経過すると黙っていた木下が急に大きな声を出した。

しかも、手をパシリと叩いていた。



「はい。5分が経過したから、自己紹介するぞ。
う〜ん。そうだな…1番最初が出席番号1番だと面白みが欠けるなぁ。
よし。今日、新入生代表をやった志水 未来からやってもらおう。」



いい案だという顔をしながら、木下は言った。


ムカつくほど良い笑顔だ。



木下の言葉に未来は、


「はい?なんであたしからなんですか?」


ついつい席から立ちながら言っていた。



「だーかーらー。今日、新入生代表でもう大勢の前に立ったのだから、こんな40人という少ない人数じゃあどうってことないだろう。」



「だからって、そんなの理不尽です。」


「お前、あまり文句ばかり言ってると成績下げるぞ。」



木下の言葉に未来は呆れてしまった。



たかが、自己紹介の順番を決めるってだけで成績を下げるなんて、馬鹿げている。


未来はしょうがなく自分から自己紹介を始めようとした。



その時。

一人の少女が立ち上がった。



< 30 / 90 >

この作品をシェア

pagetop