あなたがいたから
「先生。志水さんがあんなに嫌がってるのに成績を下げるなんて、理不尽にも程があります。
それに自己紹介ならあたしからやりますから。」



清水 智佳がそう言うと、木下は感激しながら、



「お前がやってくれるのか。俺は嬉しいぞ。
よかったな、志水。
こんな優しいクラスメートがいて。


つーか。俺は誰でも良かったんだがな。」



木下の言葉を聞いて、未来はだったら最初からそう言えと思いながら席に着いた。


智佳の自己紹介をぼんやり聞こうとしたその時、智佳がとんでもないことを言い出した。



「あたしが最初に自己紹介をする代わりに次に自己紹介をする人をあたしに決めさせて下さい。」



智佳の案に木下はいい案だという顔をしていた。


木下はそのままの顔で、



「おお!その案、いいぞ。次に自己紹介をする人をその人の前に自己紹介した人が決めていく。

よし。それでいこう。

でも名前を知らない人がほとんどだから指名する時は出席番号で指名をするってことでいいか?」



「問題ないと思います。」


智佳はさっきと同じような笑顔でﾆｯｺﾘと笑いながら、自己紹介を始めた。



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