あなたがいたから


未来は頬杖をしながら自己紹介を聞こうとしていると、前の席つまり智佳が後ろを振り向きながら声をかけてきた。



「あたしと同じ名字なんだね。ビックリしちゃった。」


「……漢字違うけどね。」


「そうだね。
…でさ、あたしの提案なんだけど…あたし、下の名前で呼んでもいい?
…その、『未来ちゃん』って。」


「……勝手にどうぞ。」


「わぁ〜い。じゃあ、あたしのことも『智佳』って読んでね。」


「……考えておく。…それにしてもあんたは、自己紹介を聞かなくていいわけ?」



未来がそう言った後に木下が後ろを振り向いている智佳に気付いて、



「清水!
自己紹介も聞かないで何を後ろと話している。自己紹介が終わったからって気を抜かずに自己紹介を聞け。
自己紹介をしてるヤツに失礼だぞ。」


木下の怒声を聞いて、智佳は舌をペロッと出しながら木下に謝った。

そして、


「じゃあ、また後で。」


未来の方を見ながら小声で言ったあとに前に向き直した。



智佳から解放された未来は、溜め息をつきながら自己紹介を聞いた。


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