あなたがいたから
二章 宣言
頭が痛い。



朝、未来が目を覚ました時に思ったことだ。


家に帰ってきて、希望(ノゾム)と話をした後、そのまま寝てしまっていたことに気付いた未来は、お風呂場に向かっていた。



風呂場につくと、すぐに頭や体を洗い、湯舟につかった。


湯舟につかっていると、ふいに昨日、希望の言ったことを思い出した。



『その智佳って子、そうとう未来のことを気に入ったんだな。』



ノゾムニィ。人ってそんな単純な生き物じゃないんだよ。

人なんて信じたってなにも役に立たない。用が済んだらポイッて捨てるだけ。

それが人間なんだよ。


未来は目を閉じながら、そんなことを思っていた。



目を開けると一筋の涙が零れていた。


未来はその涙をごまかすために頭まで湯舟につかった。


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