あなたがいたから
「ほら。何も知らないじゃない。だったら、勝手なことばかり言うな。」


「うん。今は知らないよ?」



智佳はそういうとニヤリと笑ったあと、



「だったらあたしが昔の未来ちゃんを思い出させてあげる。」


未来は智佳のふざけた態度に、



「あんた。あまりふざけたことばかり言ってると、この壁みたいに殴りつけるぞ?」


未来はさっき自分で殴り付けた壁を見ながら言った。



「いいよ。殴っても……でも、あたしは未来ちゃんのこと信じてる。あたしのことを殴らないって。」


智佳は濁ってない綺麗な目で未来のことを見つめた。


未来は智佳の目を見て、



ドカッ


智佳を殴らず、壁を殴り付け、



「勝手にしろ。」


未来は智佳の前を立ち去った。


智佳は未来が殴り付けた壁を見つめ小さく笑っていた。



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