あなたがいたから
未来は智佳の顔を手で制しながら答える。



「何かって何が?」


「『何が?』って、最近の未来ちゃん、おかしいもん。
だから、あたしは未来ちゃんが心配なの。
だって、あたしは昔の未来ちゃんが好きだから。
だから…」



智佳は言葉を探しながら未来を見た。


智佳に見られた未来は一度溜め息をついた。


そして怒り口調で智佳に詰め寄る。



「前から思ってたんだけど、あんたはなんなわけ?
昔のあたしに助けられたって言うけど、そんなことあたしは覚えてない。
それなのに、昔の未来ちゃん。昔の未来ちゃん。うるさいのよ。
あんたにあたしの何がわかるわけ?」


未来の勢いに智佳は口ごもっていた。



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