あなたがいたから
一方その頃。


希望は智佳と電話をしていた。



『もしもし。あのぅ…未来ちゃんは?』


「あいつ。出たくないって」


『そっか。
そんなにもあたしが、嫌いなんだね。』



「それは違うと思うぞ?」

『えっ?』


「だって、あいつ。どんなに嫌いなヤツでも電話があれば、電話に出てたから。」



『だったら、あたし。嫌われてるいるんじゃあ……』



「話は最後まで聞けって。
あいつが出ない自体が嫌ってない証拠になるんだよ。」



『どういうことですか?』

「やっと聞く気になったか。
あいつは電話に出てた。

だが出てもそいつに冷たく当たってたんだ。嫌みたっぷりの口調でな。」



『だからってあたしを嫌ってないことにはならないんじゃ…』


「あんさん。疑いやすい性格だね。
それじゃあ…いや。いいや。
そんなにも疑うなら本人に聞いてみるか?」



『どうやって聞くんですか?あたし、未来ちゃんに避けられているのに…。』


「明日、俺が未来を連れてきてやるよ。
明日は、ちょうど土曜日で休みだろ?
だ・か・ら、俺が連れてきてやる。」


希望はそこまで言うと、智佳と明日の予定について話し合い、電話を切った。



「さて、今度はあいつに電話でもするか。
これで、未来も昔のようになってくれたらいいが……」



そう言いながら、電話のダイヤルを押していった。



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