あなたがいたから
「未来!俺が今からこいつを動けなくする。
その隙に智佳ちゃんを助けろ。」


希望の急な提案に佐久間は、


「そんなことをさせるかよ!」


智佳を盾にしながら希望に殴りかかろうとする。



「ばーか」


そんな声が佐久間の耳に入った。


佐久間が振り向こうとしたら、背中に衝撃が走った。


そのおかげで佐久間の腕の力が弱まった。


その隙に智佳は佐久間から逃れることが出来た。



「ノゾムニィ!今だ!そいつを捕まえろ。」


佐久間の前にいた希望が佐久間を羽交い締めにする。



「未来!!」


希望は未来の方を見ながら叫ぶ。


希望に呼ばれた未来は佐久間のお腹目掛けて拳を突き出した。



未来の拳が佐久間にクリーンヒットして佐久間は倒れた。



「さすが未来!空手が黒帯。」


希望に誉められて、未来は嬉しそうに、



「へっ!こいつなんて、ちょろい。ちょろい。」


そう言ったあとに未来は智佳に近づき、真剣な顔で、


「智佳。ありがとう。智佳のお陰で、智佳の言葉で人を信じられそう。」



未来は笑顔で智佳のことを見た。


その笑顔は何もかも吹っ切れたような笑顔をしていた。




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