あなたがいたから
未来はそんな二人を見ながら、



今まであたしは一人でいて、自分は一人だって思いながら過ごしてきた。

そんなあたしだったから、佐久間に付け込まれてずっと暗闇の中から這い出せないでいた。


そんなとき、智佳に出会って、智佳を人を信じてみようと思った。
あたしが髪を切ったのはこれからも人を信じていこうと思ったからだ。


これからは信じてるだけじゃあ前に進めない時があるかもしれない。


だけど『人を信じていたら、話し掛けてくれる。親切にしてくれる。』そのことを心の中にしまって忘れないようにしよう。


こう思うようになったことは智佳のお陰だ。

そのことは本人には言わないでおこう。


そんなことを言えばあいつがまた調子にのるから。

あなたがいたからあたしは…。



未来はボーッとそんなことを思っていると智佳が未来の名前を呼び出した。


その頃、ちょうどチャイムが鳴った。

未来達は教室に急いで戻っていった。



【終わり】


⇒あとがき




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