ひな*恋
「てゆーかさ!
ひな今日休みなんだろ?
じゃあさ、俺ん家で何かご飯作ってよ!」



「えっ…えぇっ!?」



それって何だか、かわいそう。

そう思った瞬間だった。



「あそこの店のおかずって、全部ひなたちが作ってんだろ?」



「全部って言うか、あの…っ」



「だったらさ、それ俺ん家で作ってよ!
すげぇ!デリカpopoの出張版じゃん?」



「出張って!
でも私…っ」



何何何ーっ

何だか勝手に話が進んでるよーぉ!!



「だって今日は、うちでリンゴサラダ作ってくれる約束だったじゃん?
だからさ、ついでに他のおかずも頼むよ!」



「ついでにって!
簡単に言ってくれちゃうけどさぁ…っ」



「popoのから揚げって肉汁ジューシーで、ちょー美味いんだよねーっ
あと焼き肉も!」



「…………………っ」



ダメだ、私はもう何も言い返せない。

もはや彼の勢いは、止まる事がないって奴?



「じゃ、そうと決まったら買い出しからだね!
行こっ、ひな!」



「わわっ」



ギュッと手を掴まれると、その勢いのまま私たちは食材を買いに出発した。


まさか、こんな事になっちゃうなんてぇ!








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