ひな*恋
「んー、だけど…確かこの日は仕事だったような気がするなぁ…」



同窓会自体は来月なんだけど、月末の今、来月の勤務予定表はもう出来上がっている。



せっかく土曜日の夜に設定してくれてる同窓会だけどね。
定休日のないうちの店は、土曜日でも日曜日でも交代でしか休みはないのだ。


昼間ならギリ行けたかもしれないけど、晩ご飯の時間帯はちょうど家族の夕飯のおかずを求める主婦の人たちとの戦争真っ只中だろう。




「誰かと代わってもらって、休みもらえないの?」



「そこまでしなくても、別に同窓会くらい出なくても大丈夫だよ。
それに、またいつかやるだろうしね」



…ていうのは、もちろん建て前。



「せっかくの同窓会なのにっ」



「いーの いーの。
会いたい友だちとは、個人的に連絡取って会うから」



…本当は、クラスメイトたちに会うのがちょっとこわいだけ。


あの頃と違って、みんなオトナになっているだろう。

私だけ姿が変わらないで、取り残されたような気分になるのは…もう目に見えてるもんね。




久し振りに友だちとかにバッタリ会うと「変わってないじゃーん」って言ったりする人を見かけるけどさ。


私の場合はリアルに変わってないわけだから、逆に笑えないんだよ。




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