ひな*恋
「さぁて、じゃあお母さんは晩ご飯の支度するからね」
「あ、待って!」
クルリ踵を返して台所へと向かうお母さんを、私は呼び止めた。
通常私が仕事の日は、いつも残った惣菜を食べる事が多いんだけど。
でも休みの日は、当然もらえる惣菜はないので普通に作っている。
だけどそれは、私じゃなくてお母さんが。
目は悪くとも全く見えないわけじゃないので、ご飯は作る事ができるのだ。
そしてお母さんがそんなだから、私もそれが当たり前な感覚なので、特に手助けしたりとかそんな事もなかったわけだ。
…だけど。
「お母さん、今日の晩ご飯って何かな。
もし良かったら…作り方とかいろいろ教えてくれない?」
「雛、あんたどうしたの?」
ずっとおんぶに抱っこだった私が急にそんな事を言うもんだから、お母さんもビックリしたように振り返った。
「いや、その…。
改めてお料理とか、ちゃんと知っときたいかなって思って…」
うちの店の肉じゃがは美味しいから、それで慎吾くんに食べさせてあげたかったんだよ。
今日は不甲斐なくてカレーになっちゃったけど、次はまともなおかずを作ってあげたいって、そう思ったの。
「…いいよ、教えてあげる。
雛もいよいよ、花嫁修行する気になったのね」
「は 花嫁修行って!
そんなんじゃないったらぁっ」
やっぱり女だもん、料理くらいはできなきゃ困るでしょ!
って、今更偉そうに言っちゃいました。
「あ、待って!」
クルリ踵を返して台所へと向かうお母さんを、私は呼び止めた。
通常私が仕事の日は、いつも残った惣菜を食べる事が多いんだけど。
でも休みの日は、当然もらえる惣菜はないので普通に作っている。
だけどそれは、私じゃなくてお母さんが。
目は悪くとも全く見えないわけじゃないので、ご飯は作る事ができるのだ。
そしてお母さんがそんなだから、私もそれが当たり前な感覚なので、特に手助けしたりとかそんな事もなかったわけだ。
…だけど。
「お母さん、今日の晩ご飯って何かな。
もし良かったら…作り方とかいろいろ教えてくれない?」
「雛、あんたどうしたの?」
ずっとおんぶに抱っこだった私が急にそんな事を言うもんだから、お母さんもビックリしたように振り返った。
「いや、その…。
改めてお料理とか、ちゃんと知っときたいかなって思って…」
うちの店の肉じゃがは美味しいから、それで慎吾くんに食べさせてあげたかったんだよ。
今日は不甲斐なくてカレーになっちゃったけど、次はまともなおかずを作ってあげたいって、そう思ったの。
「…いいよ、教えてあげる。
雛もいよいよ、花嫁修行する気になったのね」
「は 花嫁修行って!
そんなんじゃないったらぁっ」
やっぱり女だもん、料理くらいはできなきゃ困るでしょ!
って、今更偉そうに言っちゃいました。