ひな*恋
私は台所に行き、食卓に持って帰った惣菜を並べると、お母さんはお茶を入れてくれた。



「とは言え、こうやって毎日毎日おかずがもらえるんだから、私も帰って料理しなくて済むからラッキーだよね」



「またあんたは子どもみたいな事を言って」



それから白飯をついでくれたお茶碗を「ありがと」と言ってお母さんから受け取ると、私は手を合わせていただきますをしてから箸を取った。



「だってそうじゃない。
献立考えて食材から買い物して料理してたら、結構な手間だよ」



「何言ってんの。それが当たり前なのよ。
そんな事言ってたら、結婚してから料理できなくて困るんだから」



「料理なら店でやってるから、できるもーん」



やれやれと鼻でため息をつきながら、一緒に入れたお茶を啜るお母さんだけど。

実はお母さんは私を子ども扱いしない、唯一貴重な人物だったりする。


それは目が悪くて私の童顔がよく見えていないから、結局私を28才という数字で判断しているだけなんだろうけども。




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