ひな*恋
それから何日か経ったある日の土曜日。



殆ど毎日の日課となっている、慎吾くんの家に行く前の午前中。



「…もしかして、妹尾さんじゃない?」



「え?」



今日もスーパーに行って慎吾くんの家で作るおかずの買い物をして、いざ帰ろうかとした時だった。


後ろから名前を呼ぶ声がしたので、私はレジ袋を抱えたまま振り返った。



するとそこには、同じように買い物を終えエコバッグを抱えた小さな子ども連れの女性と、もう1人は赤ちゃんを乗せたベビーカーを押す女性が私に向かって手を振りながら駆け寄ってきた。




「妹尾さん、久し振り!」


「元気だった?
て言うか、何か変わってないねー」



「え………」



ちょっと待って!
ええっと、誰だっけ!?


何だか明らかに向こうは私の事を知ってるようだけど、私にはそんな知り合いなんていないと………




「…って、あぁっ!
もしかして…っ」



髪型や服の感じが違うからわからなかったけど、マジマジと見ていたらようやく彼女たちが誰なのか気付く事ができた。



彼女たちは、私の高校時代のクラスメイトだ!!





< 163 / 322 >

この作品をシェア

pagetop