ひな*恋
協力したいって、思ってるんです!
「………出て来ないな」
翌日。
今日も午前中から、いつものように慎吾くんの家に行き、ドアの前でインターフォンを押して待っているのだけど。
「あれ?
鍵も閉まってるよぉ」
だいたい、いつも私がこうしてやって来ると…
『いらっしゃい、ひなぁ!』
『ひゃあっ』
…てな感じで、私の胸に飛び付いてくるんだけどなぁ。
とりあえずケータイを取り出して着信を確認してみたけれど、特に慎吾くんからは電話もメールも何も残っていなかった。
「…留守をするなら留守をするって、連絡してくれたらいいのに。
それとも、今日って何かあるのかなぁ」
さすがに慎吾くんの家の鍵までは持っていない私は、開かないドアの前に居たって仕方ないわけで。
(…どっかで時間潰して、また来ようかな)
別にうちと慎吾くんの家は、目と鼻の先くらい近い位置にあるわけだし。
それに、近くには本屋さんだってあるからなぁ。
(…うん、たまには本屋さんに行ってみよう)
立ち読みは腰に来るからあんまりできないけど、ちょっとくらいなら気分変わっていいよね。
って、ドンダケ私ってば年寄りなんだか!