ひな*恋
イチゴバラさんと一緒に料理の本を読み漁って、結局簡単に作れて且つボリュームもあってガッツリ食べられるものとして、串カツに決定した。


日頃うちの惣菜でお腹を満たしてくれていたイチゴバラさんだもの、いきなり手の込んだ料理とかは難しいものね。

串カツなら、お肉や野菜を串に刺して衣を付けて揚げればいいだけだから楽チンだよ。



「小麦粉に、溶き卵を潜らせてパン粉ですか。
結構手間がかかりそうですね」



…でもイチゴバラさんには、フライの衣を付けるだけでも大変みたい。



「あ、そんな時は、天ぷら粉で代用すると楽ですよ」



「小麦粉と卵の代わりにですか。
なるほど、それなら一手間省けそうですね」



うふふっ
これはうちの店でもやってるフライの裏技。

というか、天ぷら粉なら小麦粉も卵も入ってるから代用できるんだよね。


こんな所で、仕事での知識が役に立っちゃったなぁ。



「さすが妹尾さんですね。
妹尾さんなら、きっと料理上手で素敵な奥さんになれそうだ」



「えぇっ!?
…大袈裟ですよぉ」



いきなり“奥さん”だなんて、ビックリしちゃうよ。


…だけど、私みたいなのでも奥さんになれる対象として見てくれてるんだなぁ…!





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