ひな*恋
…さて、買い物は一応これで全部終わったわけなんだけど…。



「さぁ、帰ったら早速始めないとなぁ」



「今から晩ご飯の支度ですか!」



ケータイを開いて時計を確認すると、まだお昼前だ。

イチゴバラさんとこの晩ご飯が仮に18時だとしても、今からだと6時間以上もあるんだけど?




「やぁ、慣れない調理ですからね。余裕を持ってやらないと、失敗した時とか困るだろうし」



串カツの仕込みとサラダ作りに、6時間も余裕を取らなきゃならないんだ。

私だったら、1時間あれば十分だけどな…。



「…………………」



ど どうしようかな。

イチゴバラさんさえよかったら、手伝いに行ってもいいんだけど。


でもでも、あくまでも店員と常連さんの関係なのに、家に押しかけに行くなんておかしいよねっ


だけど、慎吾くんとだって結果そうなっちゃったわけだし…



「………あの、もしよかったら…」



散々悩んだ挙げ句。

ここまで来たら応援したいって思った気持ちに正直になろうと、私はイチゴバラさんの方へと顔を上げた。




…その時だ。



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