ひな*恋
「はぁ…」



怒涛のようなピーク対応も終わると、一気に気が抜けて疲れを感じてしまう。


この仕事だけじゃあないとは思うんだけど。
さっきまであんなに人でごった返していたのに、ピークが過ぎた途端に静まり返っちゃうのは何でだろう。

もっとまばらに来てくれたら、お客さんも会計を長く待たずに済むのになぁ。




「ヒナ坊!
レジ落ち着いたら、陳列棚の整理しろよー!」



「あっ、はぁい」



おっとっと。

だからって休んでる暇はないもんね。


忙しさのあまり時間が経つのが早く感じるのは嬉しいんだけど、でも終わるまで気は抜いちゃダメだよね。




「えーっと、今日は揚げ物がよく売れたなぁ。
後は、焼きそばとチキン南蛮と…」



「こんばんは、妹尾さん」



「わっ、イチゴバラさん!
こんばんはーっ」



隙間のできた陳列棚を埋めるように、私が腰を屈めて残った惣菜を並べ替えていると。

そんな私の目線に合わせて、腰を屈めながらイチゴバラさんが私に声をかけてくれたのだ。





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