ひな*恋
「イチゴバラさん、今日はお早いんですね。
お仕事、お疲れさまでした」



「えぇ。今日はいつもより早く終わったので、急いで来ましたよ」



走って来たのか、若干額に汗をにじませているのが見て取れた。


昨日は売り切れちゃってたサラダ、今日はよほど本気で欲しかったのかなぁ?


だけどそんな事もあろうかと、今日は1つだけ取り置きしているんだよね。



「って、あら。
サラダ残ってましたか」



そんなイチゴバラさんがカウンターに持ってきた中には、私のサラダがちゃんとあったのだ。


しかも、なぜか今日はサラダだけじゃなく、他にいろんな惣菜が3つ4つとある。




「えぇ、最後の1つが残ってました。
妹尾さんが残るよう祈っててくれたお陰かな」



「あぁ…そうですね」



あらら。
取り越し苦労だったかな。

サラダ好きな女性客の来店が多い時間も過ぎたから、そのまま残ってたんだ。



「…どうか、しました?」



「え、あ…いえ。
実は…」



私はレジ袋に包んでカウンター下に隠すように取り置きしていたサラダを取り出すと、イチゴバラさんに説明した。





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