ひな*恋
「取っておいてくれてたんですか?
…僕の為に」



「あはっ
だってせっかく買いに来て下さるのに、売り切れちゃってたら申し訳ないんですもの」



イチゴバラさんも、私の作るサラダを気に入ってくれてるんだよね。


男の人でも、やっぱりサラダみたいなヘルシーであっさりしたものとか食べたいんだね。




「…だけど、今日は売り切れなかったようで安心しました。
これも、いらなかったみたいですね」



レジ袋に入ってれば、間違って誰かの手に渡っちゃう事もないと思って入れてたんだけど。

イチゴバラさんの手には無事に1つ渡ったわけだし、これはまた陳列棚の方に入れとこうかなぁ。




「待って下さい。
それも、僕が買います」



「え?このサラダですか?
でもイチゴバラさん、それだと2つに…」



「いいんです。サラダは好きだし、何より…
せっかく妹尾さんが取っておいてくれたものですから、無駄にしたくないんです。
買わせて下さい」



「……………っ」






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