ひな*恋
これまででも、イチゴバラさんには何度もドキンとしちゃう事があった。


その優しい顔に家族思いな所も惹かれちゃうけど、やっぱり一番は私を大人の女扱いしてくれて、夜の帰り道でも守ってくれた所かなぁ。


でもそれって、単に私が危なっかしく映ったからかな?



だけどもし、そんなイチゴバラさんから愛の告白なんてされたら、私……









時間と共に、ドキドキ緊張が強まってきた。


その後も特にお客さんの足も少なくて忙しくなく、閉店後の精算も案外スムーズに終わらせる事ができた。




「…お先に、失礼しますっ」



「おぅ、ヒナ坊。
今日のお前は変だから、特に気を付けろよっ」



「…大丈夫でありますっ」



すっかり緊張しちゃって、全身が心臓になっちゃったみたいだよぉぉ。


だけど勝手に変な期待しちゃって、実は違う話とかだったら笑っちゃう!


あーんっ
どうしようーっ





「ヒナちゃん、思春期真っ只中ね」



「小山、お前には忘れかけた昔話だろうな」



「んまぁ!」









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