ひな*恋
ドアを開け地上へと上がる階段を上り、駐車スペースへと続く方を向くと、そこに彼はいた。

1時間前に渡した惣菜の入ったレジ袋をまだ抱えてるって事は、本当にずっと今までここで待ってたんだ。




「――妹尾さんっ」



「…お待たせしました、イチゴバラさん」



私の姿を見つけたイチゴバラさんはすぐに駆け寄り、手に持っていた缶コーヒーを渡してくれた。



「…いつもありがとうございます」



「いえ、お疲れ様でした」



「…………………
…………………」




…緊張しちゃってるせいで、それ以上の会話が出てこないっ


えっと、どうしよう…っ




「あの…」



「はっ、はいぃっ!!」



「…行きましょうか」



「どこに…あ、そうですねっ
帰りましょうっ」




うわわーっ
完全に私、意識しまくってるよぉ!!


イチゴバラさん、話したい事って何ですかー!?

は 早く話して下さいよぉっ!





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