ひな*恋
『ずっとこの先も、僕が妹尾さんを守ってあげたいって思ってるんです』



…この言葉が、何を意味しているのか。

もちろん、わからないわけはない。



だけど、具体的にその言葉を言われないと……





「…好きです」



「…………………っ」



全身に雷でも浴びてしまったかのように、ビリビリと痺れたような感覚が襲った。



「妹尾さん、あなたの事が好きなんです」



「ぁ…………っ」





車が通り過ぎる音と光だけで、後はなにもない2人だけの空間。


まっすぐに私を見つめる彼の瞳。


それから、私に対する明確でストレートな気持ちを表した言葉。



 『…好きです』




生まれて初めてのシチュエーションに、胸がいっぱいで立ってるだけで精一杯。
動けなくなってしまったの。




「ずっと見てるだけじゃ、気持ちが抑えられなくなってきたんです。
どうか今後も僕の側にいて、守らせてはもらえませんか…?」



「…イチゴバラさん…っ」



彼の側にいて、ずっと守ってもらえるの。


彼なら、ずっと私を大事にしてくれる。


生涯を捧げて、私は彼の為に――――…





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