ひな*恋





「うまぁ!
さすがひなの作るチーズトーストは、絶品だね」



「……………」



単に食パンにマヨネーズを塗って、ハムとチーズを乗せて焼いただけなんだから、別に誰が作っても同じ味だよ。


…と思っていても、でも自分が作ったものを美味しいって言ってくれるとやっぱり嬉しい。



そんなんで喜んでくれるなら、毎日でも作ってあげたい……………


…って!!


だからもう、してあげないんだってば!




「じゃあ、もういいよね。
これ、慎吾くんのお財布返すよ」



私はリビングのソファでペロリとトーストを完食した慎吾くんに、預かっていたお財布をポンと置いた。



「もう勝手にお財布置いて帰っちゃダメだよ。
次に同じ事したら、今度は警察に届けちゃうんだからね」



なんて、もちろん本当にそんな事をするつもりはないんだけど。
でもそれくらいビシッと言わなきゃ!




「えーっ
だってそうでもしなきゃ、ひなが来てくれないじゃん」



「それは…っ」



そうまでして、どうして私をここへ来させたがるのよ。


私の代わりになるような女の子なら、他にもいるんでしょ?




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