ひな*恋



「……………ひゃっ」



急に胸元に感じた動きに、私はくすぐったくなって慎吾くんから離れた。



(い 今なんか、動いたような――――っ)




「あれー?もうおしまい?
ちょー気持ちよかったんだけど、またやってよ」



「し し 慎吾くん!?」



いくら眠っていたとは言え、顔を抱きしめたりなんかしたらビックリして起きちゃうよねっ


私ったら、変な人になってたよぉ!!




「ほら、早くっ
もう一回やってよ、顔にムギューって」



「ゃ…っ、ダメだよっ
もうダメーっ!!」




せっかくこのまま、また他人に戻るつもりだったのに。

私が変な事しちゃったから、余計な印象与えちゃったかもっ



「わ 私、もう帰るからっ
元気でね、慎吾くん!」



「ヤだよ。
もっと俺と一緒にいてよ、ひなぁ?」




「え………………?」




懐かしいその呼び方に、何だか信じられないような気持ちになって私は振り返った。



今、なんて――――?








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