ひな*恋
あれから無事に退院した慎吾くん。


私の事もちゃんと思い出してくれたし、身体の具合も問題なくて安心したよ。



それにしても。

あれだけ私の事だけを忘れてしまった慎吾くんだけど、どうして急に思い出す事ができたのかなぁ。


未だにちょっと謎かも。




「はぁ、ごちそーさまぁ。絶品だったよー」



「わぁ、もう食べちゃったんだ!
早いなぁ」



さっきお皿に乗せて持ってきたかと思ったのに、ちょっと考え事してる間にもうペロッと完食しているんだからビックリ。

チーズトースト、そんなに美味しかったんだぁ。




「ね、もうないの?
俺まだ何か食べたいんだけどなぁ」



「……………っ!」



チラリと私を上目遣いで見てきた慎吾くんの視線に、ドキンと胸が鳴った。



このパターン、もしかして…!




「…ひなぁ、食べてもいい?」



ひゃーっ
やっぱりだよぉ!



わかってはいたんだけど、そうやってねだられるとドキドキしちゃうっ





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