ひな*恋
「もぉ、冷たぁい…」



すぐにまた軒下に避難したものの、さっきの間に濡れた服がじんわりと肌に伝って気持ち悪い。



社会人になってからは特にオシャレをしなくなった私は、今日も安く買ったTシャツなんかを着てきた。


冷たく濡れたTシャツが、私の身体のラインに合わせてピッタリとくっついている。



…あ。
何で私がオシャレをしなくなったかって?


お化粧はホントに基礎的なものだけにしとかないと、かえって不自然に見えちゃうのは童顔のせい。


大人っぽい服もあまり似合わないから、仕方なく無難なTシャツやジーンズに身を包んでいるのも童顔のせい!



そう。
この童顔のおかげで私はいつまでも大人になれず、延々と10代の若者をやってる気分なのだ。


はぁ…ホント、ヘコむ。




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