ひな*恋
「あ あの…っ」



うわわっ
どうしよう!

お客さんからそんな声をかけられたのは、これで2回目だ!


いくら何でも、お客さんとそんな関係になるわけには…っ



「ね、明日とか学校ないから俺暇なんだよねっ
昼ご飯とか、ひなはどんなのが食べたい?」



って、もう呼び捨てなの!?
ドンダケ馴れ馴れしいんだぁ!



「でも、私………っ」



「大丈夫、ひなの分は俺が出してあげるから。
この間のお詫びもしたいんだよ」



「…この間のお詫び?」



意外な言葉に、私はハテ?と首を傾げた。


私、コイツに何かお詫びされるような事があったかしら?




「休みの日なのに、俺の傘の為にずっと待っててくれてたんだってね。
悪かったな。わかってたらもっと早く来てたんだけど」



「ぁ……………!」




あの日ずっと待ちぼうけを食らってた私の事を、田原さんはコイツに話したんだっけ。



じゃあコイツは、その時の事をずっと気にしてくれてたって事…?





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