ひな*恋
待ち合わせ場所は、以前夕立があって傘を借りたあの本屋さん。


お互い家から近い場所だったって事と、まわりにごちゃごちゃ店のある所よりかはわかりやすいって事でこの場所になったのだ。



私は約束の時間よりも少し早めに行くと、本屋さんの隣にある銀行に寄り、ATMでお金を少しおろした。


何でも好きなものを奢ってあげるみたいな事を言っていたけど、いくら私でも10才以上も年下の男子に本当に奢ってもらおうなんて思っちゃいない。

…なんて。
こんな時に年上の女を気取ってどうするんだか。

単に、念には念をって事で。



でも、だとしたら何の為に今日は行くんだって感じ?

別にいいじゃない、一度くらい若い男の子と遊んじゃっても!


本来の年齢の時に出来なかった青春を、ちょっと遅くなったけど満喫できたらなって。


そう思ってるだけなんだから。





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