背徳の関係
隣に少しの距離を空けて座った元恋人の顔をまっすぐに見れない私に、彼が言う。
「幸せ?」
その顔はさっきとは違い、恋人時代の彼の顔で……ソファーの陰で太ももを撫でられて、ぞくりと鳥肌が立った。
自信に満ちた、絶対的な力の前で私は答えを出せない。
ずるい。
知り尽くした私の体を我が物のように手は這い、そして言った。
「知ってる? 結婚してない女は誰のものでもないって事」
罪悪感を取り去る術まで知っているしたたかな男。
それなのに、体の芯から熱くなる。