紅い雪が降った夜から

 

 
「あー……最悪……」


彼女は不機嫌そうな顔でベットから起き上がり、近くにあったクッションを膝の上に置いた。


「また君の夢、見ちゃったよ」

「あぁ、おはよう。愛しのナタリア…今朝は機嫌が悪そうだ」

「おはよ。今はそうでもない、と思うよ」


ナタリアは瞼を擦りながら、コーヒーを飲んでいる男の脛にけっこう鋭い蹴りを入れた。

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