紅い雪が降った夜から


赤に濡れた
少女はききました
どうして私は私なのかと
どうして僕は僕なのかと

どうして君はそこにいて
どうしてそんなにも苦しそうなのかと

涙を流して叫びました


その声で異界の住人を
目覚めさせてしまったことにも
気付かずに―――




「…いい歌だネ」

「痛ぅっ…」


いきなりナタリアの美しいブロンドの髪を掴み、後ろに引き倒したのは、とても美しい青年だった。

その青年の亜麻色の髪は肩で切り揃えられ、風にに揺れている。

< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop