紅い雪が降った夜から
赤に濡れた
少女はききました
どうして私は私なのかと
どうして僕は僕なのかと
どうして君はそこにいて
どうしてそんなにも苦しそうなのかと
涙を流して叫びました
その声で異界の住人を
目覚めさせてしまったことにも
気付かずに―――
「…いい歌だネ」
「痛ぅっ…」
いきなりナタリアの美しいブロンドの髪を掴み、後ろに引き倒したのは、とても美しい青年だった。
その青年の亜麻色の髪は肩で切り揃えられ、風にに揺れている。