ねぇ、好き。下
急いで来たけど、まだ20分ぐらい時間がある。
「…あのさ、聞きたいことがあるんだけどいい?」
「…え?あ、うん」
「俺さ、今日夢みたんだ」
「…夢?なんの?」
「長瀬桃花が俺の妹になって、家族になったんだ。お金持ちの家で、お母様と呼ばないと桃がビンタされるんだ。辛かった」
「…それ」
「守りたかった。だから、俺守ってやったんだ。だけど、最後は癌で亡くなったんだ…」
「…凛」
「…ごめんな?こんな暗い話してさ」
「…」
「でも、びっくりした。現実に、長瀬桃花がいて、晴、彼方、それに千尋がいる」
「…」
「夢かと思った。まだ、夢かと…。だけど、現実でさ」
「…あたしも、それみたよ…」
声が震える。
同じ内容の夢だから。