ねぇ、好き。下
「凛~」
凛を廊下で誰かが呼んでいる。
「あっ、幹也じゃん!」
え!?
幹也君!?
「やっぱ、凛じゃん。いやさ、夢でみたからそうかなーって思って。てか、凛は知らないから気味悪いってか?ごめんごめん」
夢…?
幹也くんも?
「あ!岩佐ちゃんじゃん。おはよ」
「お、おはよ」
やっぱり、あたしは岩佐ちゃんだったんだ。
夢の中では…。
「幹也、違ぇよ。長瀬なんだよ」
「え?長瀬なの?岩佐じゃねぇの?」
現実は、長瀬なんだよね…。
「あれは、夢だからさ」
「あぁ、そうか。じゃあ、長瀬ちゃんだね」
「あ、うん」
と、あたしは頷く。