ねぇ、好き。下
「だってぇ…凛くんは悲しくないの?」
「…どうして俺の名前…」
「…あ…」
姫花という彼女は、何かを思い出したかのように…口を閉じた。
「…お前が関係してるのか…?」
「…そうだよ。あたしが全部、関係してるの」
「何、した?」
「…桃花が死んだ夢、あれは夢じゃなくて現実だよ」
「…」
2人が何を話しているのかわからない。
「あれは、現実。今も、現実」
「…姫花は死んだ。過去に。桃花も、死んだはずなのに、なんで今、生きてんの?」
「そうよ。私は死んだ。桃花も、死んだ。だけど、私たち2人…死が早すぎた。
だから、私が神様に頼んで私はもう1度この世に来た。桃花も」
「悪い。言ってる意味がさっぱり、理解できない」
「だから、凛くんたちの世代に私たちが同じ年でいるだけってこと。ココで、私たちが死ななければ…ずっと凛くんや幹也くん。千尋ちゃんに、芽久ちゃんや由紀ちゃんと一緒にいられる」
「…そういうことか。普通は、赤ん坊に戻ってこの世に来なければいけないのに…、死んだ年代でこの世に戻ってきたっていうわけ…か」
「…そうよ」
「なるほどな…」
「だから、ここで桃花が生きて帰ってこなかったらもう2度と戻ってこない」
「…」