ねぇ、好き。下
俺は、桃に話しかける。
聞こえてなくても、声をかけないといけないと思った。
「…桃、お前必ず帰って来いよ。俺は、ずっと待ってるからな?なぁ、だから…帰ってっ…来いよ…?」
「…」
返事はない…。
すると、千尋、幹也、晴、彼方も話しかける。
「桃花、親友だからさ。帰ってきたら、また話聞かせてね?どんな話でもいい。きっと、今…あなたはさまよっているんでしょう?三途の川は、渡ってはダメだよ?絶対に。
川の中に、いない生物がいるなら入っては絶対ダメよ…。絶対だからねっ…」
千尋は、注意深く話しかける。
「岩佐ちゃん、帰って来いよ。あれはさ、夢なんかじゃないってよ。姫花ちゃんが言ったんだ。あれは、現実なんだ。だからさ、俺らが付き合った少しの時間も本物なんだよ」
幹也が言う。
「また、肝試ししようぜ」
と、晴。
「今度、千尋と俺と凛と岩佐ちゃんでさ…、Wデートしような」
彼方。
夢だけど、現実。
現実だけど、夢。
あれは、まだよくわからない。
だけど、全部関係してるはずだ。