ねぇ、好き。下
本当の意味
「幹也くん、あれは夢じゃない。現実だ。って、意味わかんない」
「だよな。あれはさ、なんて言ったらいいのかわからないけどとにかく現実なんだ」
「じゃあ、現実ってことにしとく。現実だったら、あたしも姫花もいないよ」
「そうなんだよな。それは、姫花ちゃんが深く関係しているんだ」
姫花をみる。
「そう、姫が関係してるの。姫が、神様に頼んだの。だから、桃花も姫もいる。姫たちの両親も生きている。凛くんと桃花は家族だったけど本当の家族に戻してあげたっていうこと」
「じゃあ、姫花はみてたの?空の上からずっと…?」
「うん、みてるに決まってるでしょ?だって、姫は桃花と双子だもん。家族だもん。
本当のね?血も繋がってる」
「そっか。だけど、姫と桃花はこのまま生きられるけど姫のパパやママは天国にもうすぐ逝くから…今、伝えたいこと言っておかなきゃいけないの」
「え?お母さん、お父さんも生きて帰れたんじゃないの?」
「うん、ダメなの。だから、姫。桃花と姫だけって言ったでしょ?」
いや、聞いてない気がするけど…まぁいいや。
「そうなんだ」
「神様に頼んだんだ。桃花と姫だけでいいから。パパやママはいなくても、いいから。桃花と姫だけ生き帰らせてください。お願いします…って」
「そっか。ありがとう、姫花」
「うん」