わがまま猫男子いりませんか？

そんな彼ももちろんモテる。

つまりあたしはイケメンにはさまれた席ってわけ。

「帰りに遥香先生と会ったから、送ってもらおうと思って」

「そっかぁ。じゃあ、乗って乗って。僕の隣に」

遥斗君は「隣に」を強調して、ポンポンと車の中のいすをたたく。

あたしは遥香先生の車に乗り込んだ。

遥香先生はエンジンをかけて車を発進させた。

「ねぇ、綾ちゃん」

「何？」

隣にいる遥斗君が少し小さめの声で話しかけてきた。

「綾ちゃんってさ～、龍と付き合ってんの？」

「んなわけないじゃん！」

いきなりの質問にあたしは驚く。

いや、だってね、いきなりだよ？