わがまま猫男子いりませんか?
そう言いたかったが、口には出さなかった。

そうしている間に机をくっつける二人。

さらには、仲良く話始める。

あぁ、もうイラつく!

「なぁ、綾菜」

「何?」

「俺も教科書忘れたみてぇなんだけど、見せてくんない?」

「えっ?」

驚いた顔をする綾菜。

そりゃそうか。

俺、教科書忘れても綾菜に借りたことはねぇからな。

しかも俺、教科書忘れてねぇし。

「まぁ、いいけど」

しぶしぶといった様子で頷いた綾菜。

遥斗はよくて、俺は嫌なのかよ。

そう思いつつも、机をくっつける。

とびきり笑顔の遥斗としかめっ面で不機嫌の俺。

そんな中、授業は始まった。


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