わがまま猫男子いりませんか?
席替えがあって、あたしは龍の隣になった。

龍はそのときもダルそうに机に伏せていた。

ふと、龍はあたしの方をジッと見て言った。

「なぁ、なんか食い物持ってない?」

そう言われてあたしはカバンの中を探った。

カバンの中に入っていたのは手作りのバタークッキー。

「クッキーいる?手作りなんだけど……」

「サンキュー」

そう言って龍はクッキーの袋を開け、食べ始めた。

それから龍は食べていた手を止め、バッと顔を上げてあたしのことを凝視する。

何、もしかしておいしくなかった、とか?

< 4 / 88 >

この作品をシェア

pagetop