わがまま猫男子いりませんか?
遥斗君は嫌そうな顔をしたが、

「わかったよ、姉ちゃん」

と、しぶしぶ答えた。

「こら、学校で姉ちゃんは止めてって言ったでしょ」

「え~、だって姉ちゃんは姉ちゃんだもん」


そんなやりとりをしながら遥斗君と遥香先生は教室を出ていった。


遥斗君が居なくなった分、静かになった教室。

「遥斗君が戻って来るまで待たなきゃねー」

「だな」

ポツリとつぶやくように龍は言った。


この教室には、あたしと龍の二人しかいない。

なぜなら、今は放課後だからだ。

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