わがまま猫男子いりませんか?
「ここよ」
そう言って、一ノ城さんはある扉を開けた。
その瞬間、髪を引っ張り上げられて一ノ城さんに突き飛ばされた。
「痛った……っ」
ドンッという音とともにあたしは腰を床に打ち付ける。
ここは、校舎から少し離れた体育館倉庫だ。
そこには、一ノ城さんの仲間と思われる女子集団もいた。
もしかして、あたしをここに閉じ込めるつもりじゃ……?
よくある典型的なパターンだと思わなくもないけど、何しろピンチなのには変わらない。
「あんたって、こりないわよね」
一ノ城さんはじりじり詰めよって来る。