わがまま猫男子いりませんか?
あたしが大声を上げたことで一ノ城さんの眉がピクリと動く。


「龍はものじゃないっ!!」


龍は誰のものだとか、近づかないでなんてそんなことは龍が決めることだ。

あなたにとやかく言われる筋合いは、ない!


「龍をもの扱いしないで!」


一ノ城さんは薄く微笑んだ後、吐き捨てるように言った。


「何を言うかと思えば……。くだらない」


一ノ城さんはパンパンと手を叩いて合図を出す。

すると、さっきまでのことがウソだったかのように、みんなの動きがピタリと止まる。

こんな状況なのに、思わず感心してしまう。

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