わがまま猫男子いりませんか?
「私が本気を出せば、あんたなんて社会から消すことだって出来るのよ」


一ノ城さんはそう言って、一笑する。


「あんたには、その格好がお似合いだわ」


周りからも、クスクスと笑い声がする。


悔しい……!


何も言い返すことが出来ない。


一ノ城さん達はあたしをいちべつすると、何もなかったかのように倉庫から姿を消した。


静寂が訪れる。


あたしはボロボロになった制服をポンポンと手ではらった。

そして、ゆっくりと歩き出す。

さっき蹴られたせいで、足がズキズキと痛む。

そんな足をかばいながら、校舎へ向かった。

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