わがまま猫男子いりませんか?
先生があたしを引き留めた。


「はい?」


「足、どうしたの?」


遥香先生はあたしの足を指さした。

スカートから出ていた足には、赤黒いあざがいくつもあった。


「さっき、転んじゃって……」


あたしはとっさにすぐにバレるであろう、みえすいたウソをつく。


「本当に?」


「はい……」


「そう。じゃ、保健室に行くからついて来なさい」


遥香先生は身をひるがえして、歩き出した。

あたしはその後を、足を引きずりながらついて行った。

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